僕のお気に入りのサルトリアについて 雑感とか評価とか

僕のお気に入りのサルトリアについて書いてみようと思う。

正直言って、僕はそれほど洋服マニアではない。

もちろん色々なところで服を仕立てていて、スーツについてはそれなりに知っているが、毛芯がどうとかあまりよくわかっていない。理由は一つで、僕は仕立て職人ではないから知る必要はない。

だがフィーリングと、あとは自分の好みでお気に入りのサルトリアや、そうでないサルトリアがある。

 

僕の一番のお気に入りはベタなところだがサルトリアチャルディだ。

ナポリの友人の弁護士がサルトリアチャルディから徒歩5分くらいのところに住んでいたので、彼と一緒に遊びに行っていた。

レナートさんが去年の4月に亡くなったときには、泣いてしまいそうだった。

あのレナートさんはまず人柄が素晴らしかった。ユーモラスで知的で、そして優しい。彼の話ぶりを聞くために仕立てに行くような感じだ。

もちろん仕立ても素晴らしい。ちょっと着丈を長めにしてもらって、肩パットも少し入れてもらうのが最高だ。

レナートさんが亡くなってからは息子兄弟のエンツォとロベルトが継いだ。

彼らの仕立ても全然悪くない。ちゃんと継承されている。ただフィッティングの好みの違いはある。エンツォに任せるのが僕は好み。

日本では伊勢丹メンズ館とプロフェソールランバルディという静岡のセレクトショップだけが扱っているとエンツォから聞いた。

静岡には昔他にもサルトリアチャルディを扱うマニアックな店があったらしい。

ちょうど両方のジャケットがあって見せてもらった。

伊勢丹のジャケットは、ドーメルのビンテージテイスト生地を使っていて、重すぎる。厚さがあるのでジャケット全体が丸ぼったい感じになっている。

あと既製服はちょっと作りが違う。

プロフェソールランバルディという店のスーツはメイドトゥメジャーで作った客のものだったが、出来栄えはナポリのスミズーラと同じだった。メイドトゥメジャーでいくらくらいなんだろう。

値段によってはなかなか良いかもしれない。あの出来で日本なら60万円くらいだろうか?

とにかくサルトリアチャルディは、レナートさんが亡くなった今でも、良いサルトリアだと思う。

 

サルトリアパニコもやはり良い。アントニオの仕立てるスーツは何が良いって、肩が良い。肩の前にせり出す感じというか、これがきれいだと思う。

またボリュームのある胸回りもいい。男の色気が際立つスーツだ。

アントニオは渋い男だが、その実子供みたいにやんちゃでもある。

あの人柄はイタリア語がわかれば皆惹かれると思う。

このサルトリアパニコは昔ビームスかどこかと問題を起こしたらしく、そのせいで日本ではトランクショーをやらないのだという。

英語の話せる娘の方が金になることをやろうとして怒られたという具合だ。

今は日本で扱いがないようだが、韓国に扱っているショップがある。らマルシェという店で、サルトリアパニコのオーダーをやっているらしい。

仕立て賃はサルトリアチャルディと変わらないが、サルトリアチャルディに比べると随分長く待たされる。

 

コスタンティーノは昔スカルピーノという名前だった時に作った。いいスーツだが、少し高いと思う。フェリチェ・ビゾーネが生きている限りのブランド。また機会があれば作りたいが、今はもっと値段が上がっていそうだ。

サルトリア・ソリートは時々行っていた。モダンな雰囲気なので、今はあまり気分ではないが、たまに着ている。

ダルクオーレは昔、知人に見せてもらったスミズーラが強烈だった。これは天才だ、と本気で思った。だが最近は娘婿のダミアーノが金になるブランド化を進めているから、あまり行く気にならない。

アマートという日本ではあまり知られていないサルトリアがあって、そこもなかなか素晴らしい仕立てだった。今は生きているかどうか、連絡を取っていないのでわからない。

もっとたくさんあるけど、今回は書ききれないのでこのくらいに。