起業したい → どうやったらいいのか分からない = 就職しなさい

僕はもちろん法人オーナーになるわけだが、時々知り合いのつてなどで、起業したいという学生の相談を受けたりする。

これが本当にくだらない相談ばかりである。

こういう学生のほとんどは、起業したいが何をすればいいか、と聞く。僕はそういうときには即座に答えている。

「就職しなさい」

これはまず就職して準備をしなさいとかそういうことではなく、あなたに起業は無理だから諦めてサラリーマンになりなさいということである。

 

そもそも起業という言葉が悪い。

起業というのは、誰かが事業を始めて実質的に法人や個人事業主になった状態のことであり、これから事業を起こすことではない。

事業を起こすという漠然とした響きに憧れて、

「起業家を目指しています」

なんて言ってのける人は本当にバカなのかと思う。

 

会社を起こすのが難しいと言っているわけではない。

会社を起こすのは簡単だし、経営者と名乗るのはすぐにできる。だが問題は、何をするかである。

そもそも起業を

「起業してみよう」

と言って始める人間は8割失敗する。

まずは自分ができること、これはいけるかもしれないと思ったことを、まずできる範囲で試してみる。それが商売としてうまく行き始めたら、自然に規模が大きくなっていく。

売り上げも出て確定申告か、登記をしなければならない。

そして個人事業主か法人を選ぶ。これが起業である。

「会社をやってみたいんですが、何をやったらいいか分からない」

なんていうバカが入り込む隙間などない。

何もできない空っぽの人間に限って、自分が起業家だなどと思い込むのだ。

 

それならむしろハサミと針と糸しか使えないが、超一流の服を作れる人の方がまだ起業家である。その人には客がつくし、金を払う。ある程度客がついて金が入ってくれば、自然と個人事業主か法人になるからだ。

本当に起業したいならば、自分が今できることを突き詰めるか、何もかも手当たり次第不屈の精神で試していくかどちらかだ。

僕の場合は仕事の内容を詳しく書くことはできないが、イタリア語ができ、日本語ができ、あとはスペイン語が多少できた。

その3つの言語と僕の行動力でできることを色々試しているうちに、ある一つに手応えを感じてそこに全力をつぎ込んだ。そしてある程度うまくいったわけだ。

これが起業である。

 

だから起業したいという学生には、

「なら今始めなさい」

と言う。

そして

「何を始めたらいいですか」

などと言う者には、就職しなさいと言うのだ。

自分に他人の10倍できることがないのなら、就職するのが一番なのだ。