Sartoria Caliendo サルトリア カリエンドについて

僕がイタリア仕立てが好きなの理由の一つに作った本人の人柄が良く現れるという点だ。

サルトリア・カリエンド(Sartoria Caliendo)はエリア・カリエンド(Elia Caliendo)と父Biagioの工房で、クラッシックなナポリ仕立てでとてもエレガントな服を仕立てくれる、お値段もエレガントだ。

先日友人がわざわざナポリに来て仕立てに行っていた。
僕も仕立てた事があるし良いサルトリアだと思う。
日本人の顧客も何人かはいると言っていたし、日本人にも少しは知られているらしい。コンスタンスなお客が何人かいるのか、何人かが作った事があるのか、は聞かなかったけど。
エリアは英語も流暢でその言葉遣いや発音から知性と品を感じる。
性格も真面目でストイック、丁寧で仕事も早い。
どこか王を守る近衛兵のような雰囲気を纏う。
彼の仕立てる服は上品で洗練された優雅さとその克己な影が相まって、まるで彼の雰囲気そのものである。
そのストイックさは情熱とプライド故だろうな。
彼は知的でちょっと気難しい部分もあるし、初回は仮縫いも3回やるし、サルトの中では若手な部類にはいるだろうが父から受け継がれた技術に更に磨きをかけ、非常に丁寧で腕も良い。
僕はちょっと格好つけたいディナーやデートの時なんかに着る。

シャツも作ってるがこれもまたエレガントな良いシャツだ、美しい肩の袖付けに特徴があるからシャツに関しては好き嫌いがあると思う。けど勿論着心地はかなり良い。
パンツはパスクァーレ モーラ(Pasquale Mola)、モーラと言っても日本で売ってるレ スパーデ(Le Spade)とかいうのとはちと違う。
ロンドンやミラノでもたまにトランクショーをしてるようだ。

また彼は客の姿勢・体格・癖なんかを良く見ていて、着るシーンや生活スタイルも踏まえて、いかにその本人が美しく見えるかを考えて仕立ててくれる。
生地なんかもエリアは良くアドバイスしてくれる、っていうか自分に決めさせろ的な感じだな。
熟練の高度な技術による軟らかく最高の着心地は勿論の事、その人らしいエレガントな着こなしを如何に提供できるか、そしてそれを実現した時の客の悦びを重視しているな。
だからそれぞれ着る人によって大分違う、型が好きな日本人にはどうかなとも思う。日本人はいつもここのサルトリアはこういう型、と決めつけたがるけど、体型によって違うのが当然だ。
エリアはよくいる頭でっかちで知ったかぶりしあれこれ上から指定するタイプの日本人も嫌いだろうし、同様な人間が皮を被っただけの低俗な風俗ライターのようなジャーナリストも嫌いだろうな。
勿論客だから作ってくれるだろうし話もしてくれるだろうけどね。性格的に手抜きなんかもしないだろう。
嫌味の一つは言われるかもしれないが、日本人なら気づかないか。

僕はカリエンドに限らずどのサルトリアでもいつも大体お任せ、色は〇でこんな感じのシーンで着る予定なんだよね、くらいを抽象的に伝える。
シーンで判断するんだろうから色は全く違うものを提案される事も良くある。それか何か僕に似合いそうな良い生地あるとか聞く程度。
そうじゃないとそのサルトリアで作る意味があまりないんじゃないかと思う。