Gaetano Aloisio ガエターノ アロイジオについて

今日は数年前に仕立てたアロイジオの夏用のジャケットを着ていたので書こうかと。

ガエターノ アロイジオ(Gaetano Aloisio)はローマ テルミニ駅からタクシーで10分位のところにあるサルトリアで、僕は非常に好きで昔から何度も仕立てて貰った事がある。
ローマという地域性を体現したような都会的な男の色気や華やかなエレガントさがあり、端正で裏や内部の隅々まで隙のない丁寧な作りが服の表に良く表れている、神は細部に宿るとは良く言ったものだ。エグゼクティブやエリートが好みそうな装いの格があり、どんなシーン、ビジネスにもパーティーにも合う全方位型の服だ。吊るしてあるとかなりタイトというかコンパクトに見える、俗に言う攻めたフィッテングだが実際着ると全く窮屈さはなく体に吸い付くようにフィットし軽い着心地、高度な職人技の集大成での機能美、構築的でめりはりがありその人の魅力を最大限に引き出してくれるように設計されている、非常に知性た理論性を感じる服だ。内側の特徴的なシガーポケットも非常に良いし、斜めのスラントポケットも程良い程度で着てみると嫌味もなく良い塩梅だ。

アロイジオは10代半ばからミラノのサルトリア ボロネーゼやローマのサルトリア ロッツィで修行を積んだりパリにもショールームもある事から非常に洗練され上品な感性を持つ紳士、話すと言葉遣いにも落ち着きや知性を感じる。彼は服や装いを楽しむ事や着る人の魅力を最大限に引き出す提案をしてくれる。彼はサルトリアとしては珍しく布で型紙を作成し保管してくれるので複数オーダーした際や次のオーダーの際にブレがなくとても楽だ。工房はそれぞれの分野の高度な技術を持ったプロ集団の集まりで、作りは細部に至るまで徹底している他に無い独自の仕立てだ。縫い方や処理も一番面倒で手間の掛かる仕方をしていて、彼に聞くとそれが一番作用や効果が高い縫い方だからそうするべきなのだと言う。この辺りは先日他界したティンダロ デ ルカなども同じだな。シャツやネクタイなどもある。

彼はフォルビチ ドーロ賞(金の鋏賞)を史上最年少の若干22歳で受賞した、20代で受賞する事はそんなに珍しい事ではないが若き頃から天才肌だったのが良く分かるし、その他にも国際的な受賞を多数している。フォルビチドーロは割と形骸化している部分もあるが若手サルトの腕試しとしては良い目安なのだろう、受賞者を何人か知っているが確かに腕は良い。
確か日本でも昔UAソブリンハウス、ラフィネリア、信濃屋で扱いがあったと思う、濃度も客も分散して長持ちしないのは分かってるだろうにいつもながらこの辺のスタンスは呆れる、1ヵ所だけにすれば良いのに。。。

初めて彼に会ったのはまだ彼が30代の頃、今の僕よりの若かったな。正に新進気鋭の若手サルトと言った感じだった、まだ日本に入ってくる前でイタリアの親類に紹介されて一緒に行ったのが初めてだった。
そう言えばここ何年かは行くサルトリアが決まってしまっていて、こういった若いサルト、新しいサルトの所へは行ってないのだが最近また行こうかと思ってる、やはり若い世代や新しい価値への探求などは非常に大事な事だし、そういった中に10年後20年後マエストロと呼ばれる名サルトが生まれるかも知れない。正直今良く通ってる幾つかのサルトリアもマエストロが亡くなり上手く継承ができず質が落ちれば行かなくなるかも知れない、偉大なら偉大なほどそうなるのだろう。そんな事は料理屋なんかでも同じだろうしね。

しかし今の時代、サルトを目指す若者も減りつつある、どちらかというと工場ブランドへ働きに行くから情熱にある若いサルトに出会う事も少ないだろうし成長する機会も少ないかと思う。需要も減れば当然供給も減る、仕立て服が好きな僕にとっては寂しい限りではあるが仕方の無い事なのだろう。
そしてまた大きな不景気が来れば更にそれは加速されるだろう、世界各地ではその火種となる危機は常にある。

イタリアというかEUの問題と言えばやはり主要国のEU離脱、移民問題、そしてドイツ銀行問題だろう。
ドイツ銀行問題は非常に厄介だ、正にツァーリボンバだ。
世界為替シェアで20%を扱い、デリバティブは75兆ドル(8000兆円)以上でこれはドイツGDP4兆ドルの20年分、EUのGDPの5年分、全世界のGDPの1.2倍。日本の国家予算の80年分。ちなみにリーマンブラザーズの負債総額70兆円程度だから既に負債確定している270兆円ですら遥かに越えている。

そしてここ1年はヘッジファンドやファミリーオフィスなどによる各国の空売りが激しさを増す、その狙いの先はやはりドイツ銀行と中国、ここを切り崩して暴落させる事により莫大な利益が得られる、この空売りには最早日銀ですら勝てない、実際今年に入って何度も打ち負けている。
アメリカの株価や利上げにより債券はもう大して儲からないから、今は通貨空売りと合わせてそこの株の空売りをする。
暴落や崩壊が一番の利益とは何とも切ない世界だが、それが今の仕組みなのだから仕方のない事だし、かくゆう僕も昨年末から空売りばかりだから何も言えないのだろう。

例えばトルコは今年に入り一気にリラ安は加速し通貨危機状態、出資債務の60%以上20兆円はEUのスペイン・フランス・イタリアなどの経営的に危険な銀行が、経済的にも通貨的にも危険な国に金を貸している。当然通貨危機が勃発しデフォルトすれば不良債権になり、政治次第では更に暴落し、スペイン・イタリアの銀行が焦げ付き倒れればEUの経済危機に発展する。その先にあるのはそのCDSを一番持っているドイツ銀行、今や全世界の金融機関はデリバティブ、CDSで繋がっている、ドイツ銀行が破綻すれば日本アメリカの金融機関もCDSを大量に抱えてる所は同時に倒れる。勿論そこには大して預けてない。
トルコ、アラブ諸国、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ辺りの脆弱な国の先には最終的にドイツ銀行と中国がある、この2つが倒れれば未曽有の大恐慌になりそこに空売りを仕掛けていれば非常に儲かる、暴落用の商品やオプションも沢山ある。FRBの利上げによりこれらのリスクもスワップ金利も高い新興国通貨からアメリカへ資金が戻りつつあり、しかもこういった新興国はドル建てで借金をしているから借金は何もしなくても増える、そして更に空売りと暴落を加速させる。誰が描いた絵か貿易戦争が更に揺さぶりをかける、頃合いでオチか。TwitterやSNSや通知1発で笑いが止まらん人も多いだろう。羊飼いか。歴史は繰り返すのだろう。

勿論ドイツ銀行を救おうとEU諸国やドイツや中国は懸命に動いているが政治的に難しく上手く行っていない。これは金融のルールを変えないと救う事は出来ないのかも知れない。
アメリカからの制裁金やワーゲンの負債や胡麻化したCoCo債が大きな足枷にもなってるのだろう、例えば2009年のギリシャが経済危機になった時はドイツ銀行がギリシャのCDS50兆円分持っていたためEUが救った、ギリシャのGDPなんて日本の関東の1県と変わらないしEUの2%で規模的に見ればどうなろうが世界経済への影響なんて全くない、だがギリシャが破綻したらドイツ銀行が破綻する。ドミノ倒しになる。
しかしドイツ銀行の株価は落ち続け歯止めが効かない、コメルツの株価なんてゴミだ。FRBのストレステストも全方面クリア出来ない。

ドイツ銀行の危機はリーマンブラザースの危機が報告された同日に既にレポートされている。リーマンショック以降アメリカの銀行が倒産を防ぐ為に投資部門の規模を縮小し不良債権や資産を売ったが、それを負債整理をしないまま更に買い漁ったのがドイツ銀行、特に中国債権をどんどん買い増して行った。プライムブローカーや投資のプロ達がドイツ銀行から逃げたした後、2年前のドイツ銀行危機で株価暴落したが、その時出資し筆頭株主になった中国の海航集団も今や11兆の有利子負債を抱えて国有化の一歩手前だ。
高掴みしたものを投売りしなければならないし、CoCo債で胡麻化したから資本増強した場合更に株価が暴落する可能性がある。
メルケルが国が銀行を救うなどありえんとのたまい続けた結果救いづらい状況なのも足枷だ。このまま行けばEUのリーダーが消える、フランスさえEU離脱さえ考えているという。
ちなみにドイツでは2年前に来るべき危機や暴動に対して政府が配給対応出来るまでの家に少なくとも10日分の食料と水を常時備蓄するようにとの国家非常事態の為の通達が既にあった、勿論これは大規模なテロなどの事もあるのかも知れないが。

ま、実際ドイツ銀行が破綻したとしてどこまで実体経済に影響が出るか分からないし大鉈を期待して気にしてない人は気にしてないのだろう。

切り崩しの為に狙わている国の中にはイタリアなども入っている。ま、経済危機になったりEUが破綻したとしても昔のイタリアに戻るだけなのだろうか。しかしイタリアの主要産業はどれも観光を含めて嗜好品的なものばかりだから世界恐慌になれば今やアジアマーケットは大きな比率を占めているし縮小し人は離れて行くだろう。
これも寂しい事だが時代の流れなのかも知れない、何かが起こらずとも遅かれ早かれそうなる事なのだろうか。