Sartoria CAMPAGNA サルトリア カンパーニャについて

彼がこの世を去りもうすぐ1年が経とうとしている、イタリアを代表する偉大なサルト、ジャンニ カンパーニャ(GIANNI CAMPAGNA)
昔から彼の仕立てる美しく重厚感のある服が好きで何度となく作った事がある、実は昨年また1着仕立てようかなとタイミングを考えていた間に彼は逝ってしまった。。。

イタリアで最も有名な最高と称されるサルトのうちの1人であろう。
やはりフォーマルな場やお堅い場に行く時に自然に手が伸びるのは英国や北イタリアの仕立て服、その中でもカンパーニャの服はイギリスの質実剛健さ、フランスの洒落感や上質な機微、イタリアの華やかさや逞しい男性像が絶妙なバランスで相まっていて貫禄や格のある服で僕は好きだ。初めて行ったアトリエに行った際は服屋がこんな豪華な内装かと少し驚いたな。
何が好きかってイギリスの謹厚で禁欲的な雰囲気の中から少しだけイタリアの柔らかく官能的な男性の色気が醸し出されている所だ。
構築的で強い男性像を演出する肩と胸、上半身全体を美しく見せるドレープは気品に溢れ、ダイナミックで鋭いフロントカットも良い、彼がどんな男性像が最高だと思っているのかが良く分かる服だ。政財界を始め各界のVIPや映画スターなどが好む理由も良く分かる、特別なオーダーをしなくてもそのままパーティーや重要なビジネスやフォーマルな場に行っても溶け込み更に際立つ服が多い。女性の艶やかで高貴なドレスのようだ、勿論何でもかんでもがそうって訳ではないけどね。
目付のある生地を使いながらも着ると軽く包み込む着心地もとても良く、着る程に身体に馴染む感じも良い。きちんとその人に合わせパット入っているのでカッチリするし当然の事ながら作りも非常に丁寧で良い。
初めて作ったのはピークドラペルの3ピースだった、今でもとても気に入っている、着るシーンだけ伝えて後はいつもお任せにしているがフランネルのストライプを薦められる事が多かったな。

彼に限らず自らのスタイルを確立したマエストロ達はとても粋で艶かしい芸術的な言葉でものを語る、それぞれ好みなどは違うのだろうけど各々が思う理想的でこれが最高という男性像や世界観やエレガンスがあり、訪れた客をそれぞれの良さを引き出しながらその男性像を身に纏わせようとしてくれている、それしてそれが服の力であり自分達の仕事だと思っていると感じる。
ジャンニは良く映画俳優やそのシーンなんかを例え話に出しながら説明してくれていたな。昨年他界した同じミラノのティンダロ デ ルカ(Tindaro de Luca)も良く俳優や映画なんかのシーンや画像を見せながらこんな感じになるぞ、最高にエレガントで素敵だろなどと言っていたな。
不思議と彼とは外で会う事も多かった。アポイントまで時間があったのですぐ近くのカフェテリアで時間を潰していたところに現れ小一時間話し込んだり、店に向かう途中に会ったり、良く乗れるなっていう球体に近い体型で自転車に乗りながら現れたり、大概はパイプか葉巻を咥えながら飄々と現れる、その姿はお洒落で小粋なミラネーゼだった、懐かしい。

ジャンニ カンパーニャはシチリアの仕立屋からドメニコ カラチェニ(DOMENICO CARACENI)の1番弟子として腕を磨き、金の針賞、金の鋏賞、ファブリックカッター賞を受賞した傑物で、アルマーニやヴァレンチノのモデリストをしていた事からもそのセンスは仕立屋としてだけではなくグローバルなセンスとしても超一流だ。カラチェニの娘と結婚していた為カラチェニの看板も継いだ。店に入るとまずは既製服が並んでるのだけれど、いつだったかたまたまカラチェニのネームの付いた既製服が置いてあったので聞いたところ、ネームはどちらでも大丈夫だけどお前はよせよと言っていて、何か違うのかと聞いたらビスポーグするんだから別に何にも変わらないと言っていたな。
ま、故ドメニコカラチェニは僕の祖父や更にその上の世代の時代の職人だし勿論会った事もオーダーした事もないからそれがどうだとかは語る事は出来ないけど。A. カラチェニなら作った事があるので分かるが。

昔は日本でもトランクショーをやったり信濃屋、ストラスブルゴなどでも既製品も扱っていたな。息子のアンドレア カンパーニャ(ANDREA CAMPAGNA)も店をやっている、覗いた事がある程度だけど。
今はあるか分からないがカンパーニャのスタッフのアゴ ドーロ(Ago Doro)が中国で技術指導した生産工場のブランド、アゴ ドーロを昔日本のショップで1度見た事があるのだけど値段と質のバランスが非常に良かったと思う、ジャケットが8万円、スーツが11.2万円位だったと思うのだけど、今日本で売られている20万円台のものと比べても遜色は無いかそれ以上な出来が気する、それを考えるとカンパーニャのモデリストや生産管理能力が如何程か窺える。確かそこから独立した腕の良い職人なんかもいたな。

皆も北も含めイタリアのサルトリアが減っているのはとても寂しい事だが、その分母からするとミラノは壊滅的だ。店が残っていたとしても形骸化したサルトリアになってしまっている所が多い、これからはもっと減るのだろう。
イタリアはG8に入っている国ではあるが実際は後進国、住んでいると余計に感じる。特に南のナポリなんて衣料関係位しか産業も特にないから大変だ。
先日セリエA首位攻防戦のユベントスvsナポリで街中が仕事を早めに切り上げ観戦に沸いている景色を見ていると、そんな中でも熱狂できるものがあるのはとても良いなと思う、僕も友人宅で皆で観戦した。結果は3-1で負けてしまったが初めの1点をナポリが先制した時は凄い盛り上がったな、良い時間を過ごした。
米中貿易戦争もこのまま長引くともう少し影響が色濃くなるとEUというかドイツが更にダメージ受ける、金の為にEUを作ったドイツの金のせいでEUが崩壊するのか。ドイツと中国は昔から蜜月で最大の貿易国、そしてロシアと中国の金を繋ぐのはドイツの幾つかの銀行。この米中貿易戦争にヘッジファンドも当然便乗して売り崩しを掛けるから更にEUの株価が落ちる。日経でも1ファンドが2.3000円平気で動かせる時代だし、今やその動きと情報が重要になってきている。
今年初めからトルコを始めとする新興国への空売りも激しい、トルコリラなんて今年に入ってもう半額、そしてそこにお金をかしている銀行の株も暴落プラス空売りされている。9月は各所決算期も多いから一旦ショートカバーが入り戻してたりするところもあるが。特にスペインのBBVA、イタリアのウニクレディト、フランスのBNP辺りは少し危険な水準になり始めてきてるし多くの銀行は脆弱性を指摘され格付けもネガティブ落ちだ。勿論ファンドの狙いは最終的にはドイツ銀行と中国、更にドイツは国内情勢も良くない、ドイツ企業の株価もものによっては空売りされ暴落もしている、ドイツ銀行の株価は既にゴミだが慈航が仕掛けるのかね。日本に例えると…政治的には民主党政権時代末期のような不信感と混沌の中、移民で異国情緒溢れる街並み、国内最大の銀行である三菱UFJ銀行と最大の製造業のトヨタ自動車が破綻寸前、蜜月で最大の貿易国は貿易戦争で危機、ファンダメンタル的にはプラス要因はない。
貿易戦争ではアメリカでもウォルトンやカーギルやコークや後ろのファミリーの中には少々ご立腹な方も居るだろうし、主席も北戴河では怒られたのではないか。世界的な経済危機や恐慌ほどチャンスも多いし、崩壊後もチャンスが多いからそれはそれで良いのかも知れない、その方が色々な物事が淘汰され進歩するのだろうしね。それはそれで荒波の航海が楽しいのだろうな。